ORT(オックスフォード・リーディング・ツリー)を使った多読の進め方について、我が家の活用例をブログにまとめておきたいと思います。
ORTは子ども向けのリーダー教材として世界的に有名ですが、実際に使ってみると人気の秘密がよく分かります。
ORTの魅力:
- 多読教材として使いやすい
- 少しずつレベルが上がっていく
- 物語として面白い
- 実用的な英語を学べる
- サイトワーズを覚えやすい
- サブスク電子版ORCの機能が充実
我が家では、長女が4歳になったタイミングでORTを本格導入しました。
多読が軌道に乗ったのも、娘が読書好きになったのも、ORTの存在がとても大きかったと思っています。

古くから愛されるベストセラー絵本で、英語の奥深さ・読む楽しさを体験してみましょう!


ORT(Oxford Reading Tree)の魅力
Oxford Reading Tree、通称「ORT」とは、イギリスの多くの小学校で採用されている国語(=英語)の教科書です。
ネイティブスピーカーの子どもたちが【自分で読む力】を育むために使う絵本ですが、日本を含めた非英語圏でも多読教材として高く評価されています。
教材としての魅力

ORTはステージ1からステージ9まであり、細かくレベル分けされています。
一文一文の長さから文法的な難しさまで入念にコントロールされており、スモールステップでリーディング力を伸ばすことができると評判です。
教材としてのORT:
- イラストから内容が推測できる
- 多読のための十分な冊数
- 日常シーンから実用的な英語が学べる
- ステージ毎に管理された単語数・難易度
- 頻出表現を容易に覚えられる
- 朗読音声を聞くこともできる(英・米)
CD付きパックや絵本対応の音声ペン・サブスク電子版のOxford Reading Clubなど、学びをサポートする関連教材も充実しており、イギリス英語とアメリカ英語で正しい発音を確認することも可能です。
はじめて読むための絵本から難易度が高めなステージ9まで、多読のための十分な冊数が揃っているので、「子どもの英語レベルに合わせた絵本選びに、もう悩まなくていい」というメリットもあるでしょう。
絵本としての魅力

ORTは、主に主人公のキッパーとその家族・友達の日常生活を描いています。
そのため実用的な英語を学べるだけでなく、日本にいながらイギリスの家庭にホームステイしているような気分も味わうことができます。
物語としてのORT:
- 短い絵本でも内容があって面白い
- ユーモア溢れる「オチ」がある
- イラストにも様々なしかけがある
- レベルが上がるにつれ物語も面白くなる
どんなに優れたリーダー(読むための教材)でも、内容が面白くなければ子どもは手に取ろうとしないでしょう。
ORTのすごいところは「英文が難しくなるにつれ、物語もどんどん面白くなっていく」ところではないでしょうか。
たとえばステージ1+の短い絵本でも、最後にはクスっと笑ってしまうオチがありますし、すぐにでも真似できる自然な表現が散りばめられています。
絵本としての魅力が高いからこそ、読む楽しさを知ることができ、それが読む力を育てていくことにつながるのでしょう。
ORTについてより詳しく知りたいという方は、『イギリスの小学校教科書で始める親子で英語絵本リーディング』を読んでみませんか?
ORTの特徴や進め方が丁寧に解説されているだけでなく、実際の絵本が10冊分も収録されています。しかも、朗読CD付き!
すでにORTで多読を始めている方にもおすすめしたい一冊です。これまでよりも楽しく、学びの深いリーディングが可能になるかもしれません。
ORTの読み方と購入方法(紙絵本とORC)
ORTは、オックスフォード大学出版の公式オンラインショップや英語教材取り扱い店・大手通販サイトなどで購入することができます。
Oxford Reading Treeシリーズ

ORTの全シリーズ一覧は、公式サイトで確認することができます。
各ステージには大きく分けて【Trunk(幹) Stories】と【Branch(枝) Stories】があります。
※厳密には、他にもフォニックスシリーズ等がある。
各ステージの「幹」となるストーリー・パック。メインストーリーとも呼ばれる。ORT初心者は、ここから少しずつレベルを上げていきたい。
Trunk Storiesだけでなく、もっとORTを読みたいという方に。同じレベルの絵本をたくさん読むことで、焦らずじっくりステージを上げたい人にもおすすめ。
Amazonや楽天市場などのネットショップでは、Trunk Storiesをまとめ買いできる「トランクパック」が人気ですね。
トランクパックAにはステージ1~5まで、
トランクパックBにはステージ6~9までの絵本が収録されています。
ORTのCDパック
ORT福袋 2023
ORTには朗読CD付きのセットもあるので、ネイティブの発音を確認しながら音読の精度を高めたい方は音声付きを選んだ方がいいでしょう。
オックスフォード大学出版のオンラインショップでは年に何度かセールを開催するので、そのタイミングで購入するのがいいかもしれません。
写真は、数量限定のORT福袋です。
とてもお得で魅力的なセットなので、気になる方は公式の情報をチェックしてください。
ORTの音声ペン(+シール)

ORT専用の音声ペンも販売されています。
絵本に対応した音声シールと合わせて活用すれば、日頃の音読練習がとても便利になるのでおすすめですね!
ORC(Oxford Reading Club)

Oxford Reading Clubは、オックスフォード大学出版局のレベル別リーダー教材を電子版として楽しめるリーディング・プログラムです。
絵本だけでなく、絵本に関する多肢選択型クイズや穴埋め問題・マッチングアクティビティを楽しむこともできます。読解力の向上に貢献しますね。
無料体験も可能なので、気になる方は公式ページで確認しましょう。
ORTを使った多読の進め方
我が家では、ORTを軸として多読を進めています。長女が4歳になってからは、ORTの音読が日課として定着するようになりました。

初見読み(ざっくり読み)
ステージ1・1+に関しては、自力で音読することから始めました。
- 一文を自力で音読
- 音声ペン/ORCの音声機能で確認
一文ずつ確認しながら進めて、最後まで読む。その後にもう一度、朗読音声を通しで聞くという方法を採用しました。
ちなみに長女が4歳になるまでは、Scholastic社のアーリー・リーダーズ(Bob BooksやNonfiction Sight Words Readersなど)で練習していたので、ORTのステージ1+までは難なく自力で読める状態でした。
そして音読に慣れてきたところで、ORC(Oxford Reading Club)を活用することにしました。
我が家では、5つのステップのうち以下の3つの機能を使用しています。
- Listen Up(リスニング)
- Read(リーディング)
- Wrap Up(内容確認クイズ)
まずはじめに、①イラストを見ながら(文字はなし)朗読音声を最後まで通して聞きます。
その後に②一文ずつ音読し、音読する度に読み上げ機能を使用して正しい発音を確認します。それを最後まで終えたら、もう一度最初から最後まで通して聞き、③クイズに答えて終了です。
ORCを使ったこの取り組みは、一日1~2冊のペースで進めています。
音読練習(しっかり読み)
ざっくり読みとは別に、一週間に一冊の絵本を選ばせて(一週間内にORCで読んだ絵本の中から一冊を選ばせる)、上手に読めるようになるまで練習するという取り組みも始めました。
- 音声ペンやORCで確認しながら音読
- 対応CDをかけ流しにも使う
- 流暢になるまで練習を繰り返す
- 自信がついたら動画に保存する
この「じっくり読み」をしようと思ったのは、あるブログを読んだことがきっかけとなっています。
多読とはいえ絵本を一回読んだだけではもったいないですし、繰り返し読むことで発音のトレーニングにもなると思います。
我が家でも手ごたえを感じているので、是非おすすめしたい取り組みですね。
参考にしているおうち英語のバイブル本にも、【ある程度音読に慣れてきたら、「感情を込めて読む」練習を取り入れるべき】と書かれていました。
言葉に感情を乗せると読解力が高まるというエビデンスもあるそうです。
先日、音読の会のために撮影した動画。数週間前に一度だけ読んだことがある絵本なので、完全初見読みではない。この後のおやつがアイスクリームだと知って、アイスクリームの絵本を選んだ長女。順番通りに読む日課の絵本以外に、本人が読みたい絵本も読ませている。#4y0m #多読 #ORT #英語育児note pic.twitter.com/G3jRXS0Jeh
— みか🦖英語育児🦖年少4y+1y (@eigoikuji_blog) November 16, 2022

ORTシリーズの効果は?
ORTを導入してから、長女のリーディング力は確実に向上していると感じます。
何よりも嬉しいのは、「読むことが楽しい」と思えるようになったことでしょう。

ORTをはじめて購入したのは、長女が2歳になった頃でした。
いずれは親子で一緒に読みたいと思っていたので、そのためのしかけ作りとして英文なしのステージ1をウォールポケットに飾っていたのです。
ORT(オックスフォード・リーディング・ツリー)の収納には、写真の通りSAKIのウォールポケット15Pがぴったりです。
娘はそれを好きな時に取り出して、音声ペンを使っておもちゃのように楽しんでいました。
このようにしてキャラクター(あるいはORTの世界観)に親しみを持ってもらい、いざORTをリーダー教材として使おうと思った時に、楽しんで読めるようになればと思ったのです。
ORCで軌道に乗った多読
ORTはリーダー教材ですし、自分の力で読み進めてほしかったので、それまで「読み聞かせ」に使うことはありませんでした。
そして娘が4歳になり、短い英文なら初見読みが可能になった段階で、はじめて「ORTを読む」という訓練を始めました。
一冊読む度に、娘は自信をつけていくように思えます。
そしてサブスクのORCを毎日コツコツ進めていくことで、サイトワーズをはじめとした頻出単語もどんどん読めるようになりました。
ORTの素晴らしいところは、ほとんど同じような単語を使って書かれているのに、全く違うストーリーを楽しめるという点にもあると思います。

無理を感じさせないくらい小さなステップを踏んで、いつの間にか読める英文が長くなり、いつの間にか読める英文の難易度が上がっている。
ORTだけでも、次のステージに移るための十分な練習量を確保できるので、教材や絵本にあれこれ迷わなくていいというメリットもあるでしょう。
とにかく、ORTを信じて、地道に継続することが大事だと思います。

日課になった就寝前の音読
ORTが大好きになった長女は、日課のORCとは別に紙の絵本を寝室に持ってくるようになりました。
それからは、就寝前の音読も日課として定着しました。毎晩5~6冊は読んでいるでしょうか。
イラストを見て突っ込みながら笑ったり、内容について感想を言い合ったりする時間が親子間の良いコミュニケーションにもなっています。
ORTのおかげで我が家の多読が軌道に乗りましたし、娘は読書の楽しさを少しずつ理解しているように思います。
ORT、評判以上の価値がありますよ!

