英語の多読と言えば年齢を問わず推奨されている英語学習方法の一つですが、幼児の場合はどのように始めて、どのように読めるようになっていくのか、はじめは全く想像ができませんでした。
子どもの英語学習に関する本や体験談を読んでも、
- フォニックス+サイトワーズを学ぶ
- はじめはお手本を聞きながら音読する
- 少しずつ音読の難易度を上げていく
このように書かれてはいますが、②と③の間、つまり「いつからどのように、お手本なしで自力読みができるようになるのか」が分からなかったのです。
もちろん、個人差は大きいでしょう。
しかし参考までに、娘の場合はどのように英文を読めるようになったのか、改めて振り返ってみたいと思います。


英語の多読を始める前の準備【幼児期編】
我が家では「かけ流しと多読を軸に英語力を育てよう」と考えてきたので、多読を始める前の土台作りも入念に行ってきました。
毎日のかけ流しと動画視聴によって英語のインプットを継続し、娘が2歳になってからはCTP絵本を導入して「暗唱」も始めました。
暗唱と言っても、無理に覚えさせようとしたことはありません。
CTP絵本のCDをひたすらかけ流し、毎日親子で絵本をめくりながら、その意味を推測できるようにサポートをしただけ。耳に残りやすいCTP絵本は、それを繰り返すだけでも自然に覚えることができました。
CTP絵本の暗唱により語彙が増え、基礎的な文法構造を感覚的に理解できたことは、多読を始める前の土台作りとして大きな役割を果たしてくれたように思います。
そして娘が文字に興味を持ち、絵本を自力で読みたがるようになった時、フォニックスを本格的に始めることにしました。
その後多読(自力読み)に関しては、フォニックスを活用して「三文字単語(短母音)」を読めるようになったタイミングでスタートさせました。

英語の多読はレベル設定と継続が鍵
はじめての音読教材は『BOB Books』にしました。
初歩的なフォニックスの知識だけで読めるように作られた有名な絵本です。復唱ではなく「自分で読む」という挑戦は、一歩間違えれば自信を喪失させることになり兼ねません。
まずは達成感を味わって欲しかったので、確実に読めそうな絵本から始めようと思いました。

三文字単語(短母音)に関しては『Sounds Great2』でしっかり学んだので、あとはいくつかのサイトワーズさえ読めれば何とかなりそうでした。
たとえば「a」「and」「the」など、どこでも目にする単語が何となく分かれば大丈夫。

私からの「自分で読んでみる?」という問いに対して、はじめは「難しいよーできないよー」とブツブツ渋っていた長女ですが、いざページをめくってみると、顔がぱぁーっと明るくなりました。
B+O+B、BOB!
ブ、オ、ブ、ボブ!
すべての単語をスムーズに読めたわけではありません。
はじめは頭で考えながら一つ一つの単語を音声化し、時間をかけて何とか読み切った形です。しかし、Bob Books1セット(=12冊)を2周した頃には、随分と流暢に読めるようになりました。
音読も慣れであり、トレーニングなのです。
もちろん、私の助けを必要とする場面もありましたが、そういう絵本は翌日にもう一度読ませてみたり、音声化できなかった単語だけ繰り返し確認したりして、とにかく自分で声に出す練習を繰り返しました。
そしてBOB BOOKS(3セット)を3周したことで、絵本に登場する単語は考えることなく一目で読めるようになりました。
フォニックスの知識を使って読めるようになった単語と、頻繁に目にしたことで視覚的に記憶した単語。これらが増えると、次の段階の絵本も読めるようになるようです。
- 自力で読ませる
- 読めない単語があれば教える
- 翌日にもう一度同じ本を音読させる
- シリーズの絵本を淡々と進める
- 少しずつ絵本のレベルを上げていく
※同じシリーズを2~3周した方が確実。
※音源付きであればかけ流しにも活用。
アーリー・リーダーズ(1冊8~16ページ程度のリーディング教材的な絵本)を、とにかく沢山読む。そして「自分でも読めた」という達成感と自信を積み上げてもらう。
我が家では長女が3歳の時に多読を始めたので、「書きながら覚える」ということができませんでした。つまり、目で見て覚えるしかないのです。
とにかく、反復。
ひたすら、反復。
ただ一点、同じ絵本を読めるようになるまで繰り返すと飽きてしまうので、読めない単語があっても二日後には違う絵本を与えるように気を付けました。
それでも、アーリー・リーダーズには同じ単語がしつこく登場するので、それらを淡々と読み進めていけばいつかは読めるようになるのです。
低年齢であればあるほど、変化には時間を要するので、焦ってはいけません。
英文に関しては、ある程度の量をこなせば、少しずつ読めるようにはなっていくことは間違いないでしょう。あまり心配せず、温かく見守っていきたいと思いました。

そしてもう一つ、娘のリーディング力を育ててくれる強力なアプリがあります。SNSなどでで話題の、『トド英語』です。
トド英語はゲーム感覚で取り組みながら、フォニックスや文法を学ぶことができる学習アプリです。一つの単語でも複数のゲームを通して何度も読ませようとしてくるので、多少飽きてもルーティンとして継続すれば、嫌でも読めるようになるでしょう。
我が家で実践している様々な英語学習(かけ流し・動画・ワーク・絵本等)をトド英語がすっきり整理してリーディングにつなげてくれるので、学習効率が確実にアップしました。
フォニックスの家庭学習に悩んでいる方は、是非一度試してほしいと思います。

幼児期の多読デビューにおすすめの教材
以下、はじめての音読(初見読み/自力読み)におすすめのアーリー・リーダーズを紹介します。
先に紹介したBob Booksは、一番やさしいアーリー・リーダーズの一つと言っていいでしょう。フォニックスを学び始めた子どもにちょうど良い教材だと思います。
サイトワーズに特化した教材ですが、A~Dにレベル分けされ、同じ表現が繰り返し登場するので多読初期におすすめです。イラストではなく写真なので、子どもにとっては新鮮かもしれません。
短くてもストーリーを読めたという体験は、子どものモチベーションを上げてくれるはず。こちらも丁寧にレベル分けされているので、スモールステップで音読の精度を上げてくれるでしょう。

