英語の「かけ流し(聞き流し)」はとてもシンプルな学習方法でありながら、それ故に本当に効果があるのか、疑問に思いますよね。
- そもそも、かけ流しはするべきなの?
- かけ流しはどうやって行えばいいの?
しかし、せっかく幼児期から英語を始めたのに、かけ流しを継続しないのは、あまりにもったいないと思います。
言語の習得には、一定量の「インプット」が欠かせません。
非英語圏で暮らす私たちにとって、英語のかけ流しは効率が良く、効果も高いインプット方法ではないでしょうか。
我が家流「英語のかけ流し」:
- かけ流しを生活の一部にする!
- かけ流し音声は英語のみを採用
- かけ流し音声は数パターン用意
英語の音源を流す/動画を視聴する
- 子どもが嫌がらないか常に確認
- かけ流しは出来る限り毎日継続
- かけ流し×「その他のインプット」
かけ流しの効果はすぐに現れるものではないので、私自身も「本当に意味があるのか」と疑問に思うことはありました。
しかし、「続けて良かった」と断言できるほど、今ではその効果を実感しています。

BGMのように英語をかけ流していると、子どもは聞いていないようで、実際にはしっかりと聞こえている(=インプットされている)ようです。
また、かけ流しは多忙であったり、英語が苦手な保護者の方でも取り組みやすい学習方法です。
それだけで英語を身に付けられるわけではありませんが、他の学習方法と組み合わせることで相乗効果が期待できますし、「おうち英語」で頑張りたいなら、必須の方法と言っても過言ではないと思います。
これから「おうち英語を始めたい」という方は、是非チャレンジして欲しいですね!


幼児(赤ちゃん)に対する英語のかけ流し効果
英語のかけ流しは、早い時期から始めた方がメリットが多いと言われています。
幼い子どもは、周囲からの話しかけや絵本の読み聞かせなど、言葉のシャワーをたくさん浴びることによって少しずつ意味を理解していきますね。
つまり、外国語でも同じような環境を作ることで、子どもにとって英語が身近な存在となっていくそうです。
そして子どもに抵抗感を抱かせることなく生活に取り入れるためには、比較的早い時期から始めた方がスムーズに実践できると思います。
かけ流し学習のメリット
- 英語が身近になる
- 英語特有の音感・リズム感に慣れる
- 正しい発音が身に付く
- リスニング力がアップする
- 語彙が増える
- 英語での発話を促す
特に幼児は、耳から聞こえてくる言語をそのまま吸収し、そっくり真似してアウトプットすることを得意としているそうです。
たとえば、日本人が苦手とするLとRの発音も、この時期の子どもなら自然に聞き分けて正しく発音できるようになるとか!
7歳以上になると、英語のかけ流し効果は限定的になってしまうそうですが、それでもリスニング力の向上など、メリットは沢山あるようです。
私の場合も、娘たちと一緒に英語を聞くことで、以前よりも明らかに英語力がアップしていると感じます。
かけ流しと娘の成長
我が家では、娘たちが生まれた直後からほぼ毎日、かけ流しを継続しています。
- CDなど英語の音源を聞く/流す
- 英語の動画を視聴する/流す
それだけでも、長女はCDやオーディオブックのリズミカルな英語を自然と真似るようになり、1歳10ヶ月になった頃には以下のライム(Rhyme)を暗唱しました。
Apple pie, apple pie,
Peter likes apple pie.
So do I. So do I.Mmmm, it’s good!
(アルク『エンジェルコース』より)
CDを再生し、このパートが始まると、娘は手拍子をしながら得意気に口ずさむようになったのです。
3歳になると、日本語と同じように英語で自分の意思を表現できるようになりました。


乳幼児に対する英語のかけ流し方法
英語をかけ流すといっても、本当に音声を流すだけでいいのでしょうか?
せっかく始めるなら、ポイントを抑えてより効果的な方法で行いたいですよね。
我が家が目指したのは、ネイティブの子どもたちと同じような環境を演出することでした。
自宅でかけ流しを始める前に
- 子どもが嫌がらないか?
- 毎日継続して行えるか?
かけ流しを継続して行うためには、子どもにとっても親にとってもあまり負担にならないことが大切です。
子どもが嫌がるようであれば、音量や音源を調整したり、かけ流す時間やタイミングを考えたりと、様子を見ながら柔軟に対応する必要があります。
かけ流しをする間は同じ空間でテレビを見ることができませんし、子どものためとはいえ、毎日英語を聞くことがストレスになる方もいるでしょう。
そのため、家族の納得と協力を得られるよう、しっかりと話し合っておいた方が良いと思います。

また、かけ流しは毎日行うべきなので、ちょっとした手間がストレスにならないよう、工夫することも大切です。
- 再生しやすい機器を用意する
- プレイリストを編集しておく
- 家族に協力を求める

我が家の場合、その日に聞くべきCDを前日の夜からセットしておき、在宅中は電気をつける感覚で「家族の誰かが再生ボタンを押す」ことを習慣化しました。
効果を感じた我が家のかけ流し方法
- 音声はオールイングリッシュ
- 音声は数パターン用意
- かけ流す英語レベルを調整
- かけ流し方法は2パターン
- かけ流しは毎日2時間以上
- かけ流しだけで終わらせない
これらを意識することで、インプットの質を高めることができていると感じます。
音声はオールイングリッシュ
かけ流しに使用する音声は、日本語なし(英語オンリー!)のものを用意します。

英語と和訳が交互に流れてくる英語教材もありますが、我が家では採用しませんでした。
なぜなら、子どもが母国語を覚える過程と同じように、英語を吸収させることが重要だと思ったからです。
日本語訳があると、頭の中で「日本語→英語」「英語→日本語」の変換作業が行われてしまいます。
それは避けたいので、かけ流しにおいても英語のみの音声を聞き続けています。
英語をかけ流している時間は、なるべく日本語の「音」を遮断するように努力しています。
- TV(日本語)を消す
- 日本語の絵本を読まない
- 日本語のワーク等はしない
娘たちには、ご飯を食べている時・お絵描きをしている時・パズルや積み木で遊んでいる時・英語のおもちゃで遊んでいる時などに英語をかけ流すようにしています。
かけ流し中は「日本語を口にしない」「夫婦間でも日本語で会話しない」など、厳格なルールを設けているご家庭もあるようですが、毎日2~3時間もそれを徹底するのは、なかなか難しいですよね。
ですので、あくまで無理なく、現実的に可能な範囲で行うことを重視しました。
音声は3パターン用意
ネイティブの子どもたちと同じように、色々なタイプの英語を聞かせてあげたいと思いました。

もちろん、複数の音源をかけ流すことで、子どもが飽きにくくなるというメリットもあります。
- 英語の歌
- 英語のフレーズ・センテンス
(会話・物語など) - 絵本の朗読音声
- 英語の動画の音源
英語圏で暮らす子どもたちと同じように、英語の音が自然と耳に入るような環境を演出するのです。
【フェネミック・アウェアネス Part-1】
英語の音感やリズム感に慣れる時期。マザーグースやナーサリーライムなど、英語独特の韻を踏んだリズミカルな語呂が特徴の歌をたくさん流す。
【フェネミック・アウェアネス Part2】
絵本の読み聞かせ音声やオーディオブックなども積極的に活用する。我が家では、CTP絵本やNonfiction Sight Word Readersなどを採用。韻を踏む文章や頻出単語が繰り返し登場するので、フォニックス学習前の良い土台となる。
【フォニックス学習開始】
これまでのかけ流しに加え、フォニックス教材を活用し文字と音の関係性を学び始める。フォニックス教材や関連動画の音声を活用し、学習効果を高める。
【高度な英語力習得へのステップ】
より高度な英語力を身につけるため、英語のニュース(ラジオ・ポッドキャスト・TVの英語音声)をはじめ、幅広いジャンルの英語を聞く。
このように、英語のかけ流しにも適切な音源の選択と段階的なアプローチを意識してきました。
洋楽好きな大人が必ずしも英語を話せないのと同じように、歌を流すだけでは英語の学習効果を期待することが難しいと思います。
はじめは、英語独特のリズムに慣れるために、マザーグース(Mother Goose)やナーサリーライム(Nursery Rhyme)を積極的に流すことから始めましょう!
日本の家庭や保育園・幼稚園でも、擬態語や擬音語を用いた「わらべ歌」をよく歌ってきましたよね。
それらは言葉の持つ特徴的なリズムや文化を自然に学べるので、英語学習にもピッタリだと言われています。
Twinkle, Twinkle, Little Star |
Skidamarink |
The Muffin Man |
Hot Cross Buns |
Hey, Diddle, Diddle |
The Famer in the Dell |
Itsy Bitsy Spider |
Head, Shoulders, Knees and Toes |
YouTubeにもたくさんアップされているので、「Mother Goose」や「Nursery Rhyme」で検索して下さい。

かけ流し方法は2パターン
- BGMのようにかけ流し
- 集中して聞くためのかけ流し

まず、「生活の中に英語が当たり前にある環境」を演出するため、英語音声をBGMのようにかけ流します。
歌でも会話でもOKですが、一日のうちに必ずどちらもかけ流すようにしました。
おもちゃで遊んだり、お絵描きをしたり、他の作業に支障がないように、音量は少し控えめにします。

一方で、「意図的に英語に耳を傾ける時間」も作ります。
この場合ははっきりと聞き取れる音量にし、できれば親子で口ずさんだり、手遊びをしたりしながら、音に集中できるようにしましょう。
一方的に流れてくる音を聞くだけでなく、親子で一緒に楽しむ時間を作ることで、言語学習の効果が飛躍的に向上すると言われています。

かけ流しはなるべく継続して行う
英語をインプットする時間は、必ず毎日作るようにしています。
かけ流しの時間ですが、1日5分・10分程度では短すぎます。
ただし、我が家は母語(日本語)を優先すべきという方針なので、娘が3歳になるまでは以下のことを意識して実践しました。
- 英語のかけ流しは最大2〜3時間/日
- 親子間の会話は日本語にする
- 日本語の絵本を沢山読んであげる
そして自分の意思を日本語で表現できるようになり、日本語の絵本も好んで読むようになったら、英語学習に関しては時間的な制限を設けることをやめました。

かけ流し以外の英語学習方法
3歳頃までは英語のかけ流しだけでも十分と言われますが、我が家では以下のような取り組みも行ってきました。
- 英語絵本の読み聞かせ
- 英語の動画を見せる
- 英語のおもちゃで遊ぶ
なるべくネイティブの音声をインプットさせたいので、絵本も音声付きのものを選んで、一緒にページをめくるようにしました。

親が英語を「教える」必要はありません。子どもが楽しく英語を学べるように環境を整え、伴走することが大事ではないかと思います。
3〜4歳以降は、かけ流し以外の学習方法も積極的に組み合わせることが大切です。
残念ながら、かけ流しだけで英語が身に付くなんて、そんなに美味しい話はありません。
- 英語の絵本(読み聞かせ・音読・多読)
- 英語のゲームやカード教材
- 英語学習用アプリ
- 英語の動画視聴
- オンライン英会話
これらを上手に活用して、子どもの英語力を多方面から育ててあげたいですね。

子どもの反応をしっかり見る
どんなに優れた教材でも、良いと言われる方法を実践しても、子どもの反応が悪ければ楽しく継続することはできません。
失敗しない英語育児 >>
研究→実験→継続
- 日々の中でできることを試す
- 一定期間継続する
- 子どもの反応や効果を確認する
- 効果があれば継続する
まず、英語学習にかけられる時間や金額は家庭によって異なります。
語学は継続することが大切なので、教材選びは無理なく使い続けられるものを選びましょう。
子どもは楽しく、親は無理なく
私は職業柄、エビデンスを大切にする人間なのですが…
正直この分野においては専門家によって意見も異なりますし、まだまだ解明されておらず曖昧な面も多いと思います。万人に当てはまる方法もないでしょう。
だからこそ、英語育児を実践する先輩ママや指導者の具体的な実践例を参考にし、家庭に合わせてカスタマイズすることが大切ではないでしょうか。

そして、子どもの反応や効果を確認するためには、一定期間継続することも大切です。
英語学習に、即効薬はありません。
効果だけでなく、子どもが嫌がらないか、英語学習による弊害はないか、その様子をきちんと観察して下さい。
その上で、継続すべきと思ったことは、とにかく継続しましょう!


英語のかけ流し学習を継続した結果・効果【体験談】
私自身も新しい外国語を学ぶたびに、必ずかけ流し学習を実践してきました。
ある程度年齢を重ねてからの勉強だったので、(日本語への弊害は考えなくていいですから)、外国語の音声を時間の許す限り聞き続けました。
通勤時も、掃除中も、入浴中も…

そんな毎日を過ごしていると、単語がポロっと口から出てきたり、フレーズをクリアに聞き取れる瞬間にハッとすることが増えていきます。
もちろん、(乳幼児でなければ)文法の勉強も単語の暗記も、並行して行うことが大切です。
とにかく効率良く言葉を「インプット」することがポイントなので、多読も語学習得のスピードを加速させてくれました。
娘に対するかけ流しの効果
こちらは随時更新していきますが、娘は日本語でも英語でも関係なく、音楽(歌)や映像を楽しんでくれます。
1歳前後で英語の発話も増え、1歳2ヶ月で英語のDVDを見ながら簡単な単語を真似するようになりました。
ABCソングの影響もあり、2歳0ヶ月でアルファベットを読めるようになり、2歳3ヶ月では3〜4語文を口にするようになりました。
低年齢の時期に「英語のアウトプット」は求めていませんでしたし、英語の学習進度も「早ければ良い」とは思っていません。
ですが、3歳になり、(年相応ですが)英語を流暢に話すようになった娘を見て、「インプットの方法は間違っていなかった」と安心しました。

ちなみに、日本語の遅れは全くありません。母国語の遅延どころか、同じ月齢の子に比べても発語は早い方でした。
日本語の絵本は、毎日たくさん読み聞かせていますし、親子間の会話はほぼ日本語となっています。
特に0歳〜1歳の頃(あるいは「かけ流し」開始から1〜2年)は、はっきりとした効果が見えづらいものですが、毎日の積み重ねが英語力を育ててくれることは間違いありません。
- かけ流しは毎日行うべき
- 音声はオールイングリッシュ
- 歌だけでなく会話・フレーズも
- かけ流し方法は2パターン:
①集中して耳を傾ける
②音量をおさえてBGMのように流す - 子どもの様子を常に確認する
子どもの反応をしっかり確認しながら、まずは英語に親しみ、英語を好きになってもらうことが大切だと思います。
その土台さえしっかり築ければ、学習英語への移行もスムーズになり、いずれは高度な英語力を身につけることができるでしょう!
英語のかけ流し学習を取り入れることで、自宅を英語圏に近い環境にし、英語学習の基盤を築いていきたいですね。

